フォレスタン目録-映画・本・漫画のおすすめ作品紹介ブログ-

映画・本・漫画などのおすすめ作品を紹介するブログです。原則としておすすめ品しか書きません。好みである歴史系に偏ると思います。

日本人のための憲法原論

 

日本人のための憲法原論

日本人のための憲法原論

 

 憲法について解説した本です。

 

近頃改憲が話題になっているので読んでおいたほうがいいと思います。

 

 憲法というと国家の最高法規としか習っていないと思います。なんとなく立派なものだということしか思っていないという人が多いでしょう。この本は憲法や議会・民主主義とは何かをそれらの起源までさかのぼって解説しています。

 それによると、憲法というのは国民に対してではなく、国家や政府と統制するものと説明しています。強大な国家権力に対して人民が言論・職業などの自由に口出しするなと押し付けたもの、それが憲法です。そしてそれは、初めのうちは一部の貴族階級が王に対して行ったものであり、いわば貴族の権益を守るためのもの、民主主義とは程遠い存在でした。ところが時代が下るにつれて、一般市民にまで広まっていきました。ちなみに議会も似たようなものだったとのことです。

 他にも明治維新での民主化や官僚制の欠点、平和、独裁国家でなぜ憲法が機能しないかなどについて記述されています。

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陸軍中野学校(DVD)

 

 

陸軍中野学校 [DVD]

陸軍中野学校 [DVD]

 

  旧日本軍のスパイ養成学校「陸軍中野学校」の映画です。「陸軍中野学校」の創設から養成の過程、初任務までを映しています。表紙を見てもわかるように、古い映画なので、モノクロで撮影されています。

 スパイがテーマと言っても、派手なアクションシーンや奇想天外な発明品などは全く出てきません。スパイを基にした手に汗を握るサスペンス映画といっていいでしょう。

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毛沢東 日本軍と共謀した男

 

毛沢東 日本軍と共謀した男 (新潮新書)

毛沢東 日本軍と共謀した男 (新潮新書)

 

 中級者向けの歴史本です。

 

毛沢東日中戦争国共内戦に興味のある人むけです。

 

 現在の中華人民共和国では、日中戦争共産党がいかに活躍したかを教えられています。ひと昔前の日本でも、国民党と共産党が手を取り合って抗日してきたかを教えられてきました。しかし、本書では毛沢東は抗日どころか日本軍と共謀して国民党を弱体化させ、中国を征服したと書かれています。その事実を、満州事変ごろから国共内戦勃発直後まで、いかに日本軍のおかげで共産党が発展できたか、様々な資料をもとに書いています。

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「負け組」の戦国史

 

「負け組」の戦国史 (平凡社新書)

「負け組」の戦国史 (平凡社新書)

 

 中級者向けの歴史本です。

 

戦国史のマイナーな人物に興味のある人むけです。

 

 戦国時代の人物について、織田信長徳川家康といった「勝ち組」の人物には詳しい伝記が書かれています。しかし、武田勝頼足利義昭といった「負け組」の人物についてはほとんど書かれていません。中には戦国史に詳しい人でも、知らない人も多いでしょう。この本は、そういうマイナーな人物について書いています。

 負け組と言ってもいろいろあって、大名の地位を失い一族が全滅したものから、存続したけど所領のほとんどを失ったもの、没落の原因が関ヶ原であったり本能寺の変であったりと様々な理由で分類しています。分類が多いだけあって、紹介された人物やも数十人に上ります。

 

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ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事

 

ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事

ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life―転落エリートの私を救った世界最高の仕事

 

 初級〜中級者向けの回想です。

 

読者層は問わない本ですが、現在の仕事に不満がある人・転職を考えている人には良いかもしれません。

 

 題名にもある通り、超大手企業の重役だった人が、クビになって仕事に困っていたら、ひょんなことからスターバックスに就職する話です。少なくともアメリカでは、店員という職業は底辺の仕事とされており、まあ負け組に入ります。しかし、いざそこで働いてみると、今までの大手企業の幹部より充実した毎日を送ることができたということを回想しています。

 

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科挙ー中国の試験地獄

 

科挙―中国の試験地獄 (中公文庫)

科挙―中国の試験地獄 (中公文庫)

 

中級者向けの歴史本です。

 

歴史の中でもマニアックな本で、中国史に特に興味のある人向けです。

 

 昔の帝政時代の中国では、科挙という国家公務員試験がありました。この本では、科挙の成り立ちから、試験方法、採点方法、及第までどのくらい試験を受けなければいけなかったのか。試験を受ける際の苦労や言い伝え、合格者の社会的地位の変化などが述べられています。

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ローマ人の物語

 

 上級者向けの歴史小説です。

 

ローマ史に興味がある人向けです。

 

 著者の塩野七生氏は古代から中世にかけての歴史小説を書いている作家です。その塩野氏が15年かけて書いた本が「ローマ人の物語」です。ローマ建国から共和制、帝政からキリスト教の需要、東西分裂から西ローマ帝国の滅亡、そして締めくくりにゴート戦争によるローマ元老院の消滅までを全15冊で書いています。特定の主人公に焦点を絞っているわけではなく、まるで歴史書のように、人物のストーリから政治制度・インフラなどを叙述しています。ただしカエサルだけは特別に2冊単独で立てています。

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