フォレスタン目録-映画・本・漫画のおすすめ作品紹介ブログ-

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マムルーク朝と日本の会社員

 中世のイスラム世界にマムルークというのがいました。日本語に訳すと「軍人奴隷」です。軍人で奴隷というと、妙な感じがすると思います。しかし、紛れもなく「軍人」であり「奴隷」でもありました。

 その起源は9世紀に遡ります。アラブ人は7世紀に西アジアを征服しました。しかし、9世紀になるとすっかり平和と贅沢に慣れて弱体化しました。その代わりになったのは、中央アジアに住むトルコ人です。幼い頃から馬に乗って、弓矢で狩りをする生活をしていたので、十分に軍人になる素質がありました。

 そのトルコ人を奴隷商人から購入して、軍人として鍛えました。それが中世イスラムの軍隊の中核となったのです。いつの時代も武力を持っているものが立場も強い。とうとう自分たちの国を建国しました。それがマムルーク朝です。

 本題に入りますが、そのマムルーク朝、日本の会社員になんとなく似ているような気がしました。マムルーク朝は奴隷商人から子供を購入して、一から教育します。日本の会社員は、経験のない新卒を採用して、一から教育します。マムルーク朝世襲ではなく、有能なマムルークに出世させて後を継がせます。日本の会社員も世襲ではなく、有能な部下を出世させて後を継がせます。マムルークは奴隷です。日本の会社員も奴隷のように働かされます(特にサービス残業)。ということは、日本の会社員は奴隷!!

 なんで日本の会社員の立場が弱いか考えてみた。日本だと一流企業ほど新卒を一括で雇い、教育していく。そこに入れなかったり、落ちこぼれた者が転職していく。つまり転職すればするほど待遇が悪くなっていく。よって逃げ場がない分、立場が悪い。といったところか。待遇よりも仕事のやりがいを云々されるという点も原因の一つだと思う。私は待遇さえ良ければいいのだけど。

 ヨーロッパだと有能そうなら雇って、育てるという発想がないみたい。有能なら雇って、無能ならクビにする。会社員も待遇が良ければ就職して、悪くなれば転職する。人材が流動的なのが、逃げ場があるという意味で、立場が強くなれるのだろう。

 

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