小説十八史略
初級者向けの歴史小説です。
中国には十八史略という歴史書があります。最も名前の通り18種類の歴史書を簡略した書物で、正式に歴史書と認められていない子供むけの本みたいですが。今回紹介する本はその十八史略を架空の人物やエピソードを混ぜることで小説化したものです。
神話の時代に弓の達人が、兄弟ゲンカを起こした10の太陽を、一つを残して打ち落すところから始まります。そこから殷・周とつづき、元寇で知られたモンゴルが中国の国を滅ぼす悲劇的な場面で終わります。
私は歴史が好きで、小学生の頃はよく歴史の学習漫画を読んでいました。中学生の頃になると横山光輝の三国志の発売日を楽しみにしていました。その三国志のその後やそれ以前がどうだったのかに興味を持っていたところに手に入ったのが、この本です。
長い歴史を扱っているため、一貫した登場人物が存在しません。時代に応じて主人公を立てておいて、それらをつなぎあわせたような構成になっています。ただし、構成がしっかりしているためか、中国の通史としてもわかりやすいです。
私が初めて活字で読んだ歴史小説なので、分量は多いですが、十分に読めると思います。