マリー・ルイーゼ〈上〉―ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ
マリー・ルイーゼ〈上〉―ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ (文春文庫)
- 作者: 塚本哲也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 文庫
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中級者向けの伝記です。小説ではありません。
ナポレオンの皇妃としてジョゼフィーヌが有名ですが、後に離婚しています。その後、「ヴェルサイユの薔薇」のマリーアントワネットを同じハプスブルグ家のマリー・ルイーゼと結婚しています。本巻では、マリー・ルイーゼとナポレオンの結婚に至る過程から、ワーテルローの戦いでナポレオンが没落するまでを書いています。
本書ではマリー・ルイーゼと銘打っていますが、実際はほとんどナポレオンについて記述しています。まあ、単にナポレオンの皇后としてしか知られていないマリー・ルイーゼ本人に焦点を当てられても面白みがないでしょうから、それで良いと思います。
本書の特徴は、当時の国内情勢にも詳しく書かれている点です。ナポレオン時代の宮廷生活から国民生活、特に厭戦気分を幅広く書かれています。また、伝記なだけあって、ナポレオン戦争について戦役ごとの区切りがなく書いていることも良い点だと思います。