フォレスタン目録-映画・本・漫画のおすすめ作品紹介ブログ-

映画・本・漫画などのおすすめ作品を紹介するブログです。原則としておすすめ品しか書きません。好みである歴史系に偏ると思います。

周―理想化された古代王朝 (中公新書)

 

周―理想化された古代王朝 (中公新書)
 

 中級者向けの解説本です。

 

国史に興味のある人向けです。

 

序章  新出資料から明らかになる周代の歴史

第1章 創業の時代ー西周前半期1

第2章 周王朝の最盛期ー西周前半期2

第3章 変わる礼制と政治体制ー西周後半期1 

第4章 暴君と権臣たちー西周後半期2

第5章 周室既に卑しー春秋期

第6章 継承と変容

終章  祀と戎の行方ー戦国期以後 

 

 

 王朝と聞いてもわからない人が多いでしょう。中国で2番目に古い国だと思っていただければ結構です。タイトルに「理想化された古代王朝」とありまして、後の時代になりますとこの時代は理想の国とされていました。孔子によって儒教が作られると、周王朝は理想化され、「40年に渡って刑罰がされることがなかった」とされています。ではその実情はどうだったのかを考察しています。

 一口に周王朝と言いましても、当時の中国の支配者だった「西周」の時代と、ほとんど名目的な存在で黄河中流のごく小さな領土しか持たなかった「東周」とに分かれます。周王朝と言えば「西周」のことをいうのが一般的で、本書では主にこの「西周」を扱っています。しかし、本書の後半は「東周」についても書かれています。

 

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日本軍の戦争犯罪と学校教育

 どういう経緯だったのか忘れてしまったが、amazonを見ていると「生活の世界歴史」というものを見つけた。なかなか面白そうだと思っていたら、なんと名前が「三笠宮」とあるじゃないか!と驚いたものだ。いい趣味してるとはこのことか。まだ読んでいないがそのうち読んでみようと思っています。

 

  それはさておき、その三笠宮がお亡くなりになられたそうな。100歳も生きれば十分な大往生だろう。羨ましいものだ。

 戦争に従軍した経験がある方で、日中戦争の時に中国に赴任していたこともあるという。その時の日本軍の捕虜虐待や虐殺などを聞いていて憤りを覚えていたという。せっかくの機会なので「日本軍の戦争犯罪と学校教育」について書こうと思う。

 

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エスター

 

エスター [DVD]

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 ホラー映画です。

 

 アメリカのとある夫婦が流産によって子供を失います。その悲しみを埋める為に養子を取ることになりました。そこで、絵が上手で変わり者という特徴があるエスターという少女に出会います。このエスターを養女にすることにしましたが、常に首と手首にリボンをつけていたり、なぜか歯医者に行くことを嫌がったり、やけに父親の方に懐いたりと妙な言動が目につきます。一緒で暮らすうちに徐々に周りにおかしなことが起きてきます。別の子供が高いところから転落したり、息子が事故にあったりと、悲惨なことが続きます。そしてエスターの謎が明らかになり・・・

 

 ネタバレをすると面白くない映画です。ですが、少しだけネタバレするなら、パッケージのエスターの不気味な顔にも意味があります。ホラー映画といっても、ジェイソンやフレディ、エイリアンのような全くのフィクションという訳ではなく、現実でもありえなくはない?話です。まあ流石に実際に起きるとは思いませんが、可能性は0ではないです。家に見知らぬ侵入者が入るという今までのホラー映画の中では珍しい(と思っています)恐怖が味わえます。

ゴッドファーザー

 

ゴッドファーザー PARTI<デジタル・リストア版> [DVD]

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 マフィアの題材にした映画です。

 

 マフィアというとギャングやヤクザなどの裏社会の集団と思っている人が多いと思います(私がそうでした)。しかし、マフィアとはイタリアのシチリア島の出身者を中心としたギャングのことを言います。裏社会の集団をギャングといい、その中の一派がマフィアです。

 マフィアのボスであるヴィト・コルレオーネ(パッケージの人)に三人の息子と一人の娘がいます。その末っ子の男子であるマイケル・コルレオーネは堅気の人生を送るつもりでいました。しかし、敵対する組織がヴィトの暗殺未遂をすることでマフィアの世界に入ることになり・・・

 

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ゴジラ(初代)

 

 

 有名な怪獣映画の原点となる作品です。

 

 1954年に撮られた怪獣映画です。言わずとしれたゴジラの原点となる作品です。大戸島という離島に何らかの災害が発生したという連絡を受け、調査団が派遣されました。その調査団が見たものは、丘からヌッと顔を見せたゴジラだった。その後、ゴジラは東京に上陸して、銀座を始めとする東京の各地を焼き払います。必死の抵抗も虚しく、東京中が焼け野原になり、なすすべがないように思われました。しかし、一人の博士が自ら開発した兵器でゴジラに対抗します。

 

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死人の声をきくがよい

 

死人の声をきくがよい 1 (チャンピオンREDコミックス)

死人の声をきくがよい 1 (チャンピオンREDコミックス)

 

 1話完結型のホラー漫画です。

 

 幽霊やオカルト、都市伝説からUMA、心霊現象などほぼすべての超常現象をテーマに扱っています。主人公の少年は岸田という少年で、ヒロイン?は幼馴染だった早川さん(表紙の人)という幽霊です。この岸田くんは様々な超常現象に巻き込まれて、危険な目にあいます。が、早川さんのおかげで逃げ切ることができるというものです。ほとんどこのパターンと言っていいでしょう。

 

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マムルーク朝と日本の会社員

 中世のイスラム世界にマムルークというのがいました。日本語に訳すと「軍人奴隷」です。軍人で奴隷というと、妙な感じがすると思います。しかし、紛れもなく「軍人」であり「奴隷」でもありました。

 その起源は9世紀に遡ります。アラブ人は7世紀に西アジアを征服しました。しかし、9世紀になるとすっかり平和と贅沢に慣れて弱体化しました。その代わりになったのは、中央アジアに住むトルコ人です。幼い頃から馬に乗って、弓矢で狩りをする生活をしていたので、十分に軍人になる素質がありました。

 そのトルコ人を奴隷商人から購入して、軍人として鍛えました。それが中世イスラムの軍隊の中核となったのです。いつの時代も武力を持っているものが立場も強い。とうとう自分たちの国を建国しました。それがマムルーク朝です。

 本題に入りますが、そのマムルーク朝、日本の会社員になんとなく似ているような気がしました。マムルーク朝は奴隷商人から子供を購入して、一から教育します。日本の会社員は、経験のない新卒を採用して、一から教育します。マムルーク朝世襲ではなく、有能なマムルークに出世させて後を継がせます。日本の会社員も世襲ではなく、有能な部下を出世させて後を継がせます。マムルークは奴隷です。日本の会社員も奴隷のように働かされます(特にサービス残業)。ということは、日本の会社員は奴隷!!

 なんで日本の会社員の立場が弱いか考えてみた。日本だと一流企業ほど新卒を一括で雇い、教育していく。そこに入れなかったり、落ちこぼれた者が転職していく。つまり転職すればするほど待遇が悪くなっていく。よって逃げ場がない分、立場が悪い。といったところか。待遇よりも仕事のやりがいを云々されるという点も原因の一つだと思う。私は待遇さえ良ければいいのだけど。

 ヨーロッパだと有能そうなら雇って、育てるという発想がないみたい。有能なら雇って、無能ならクビにする。会社員も待遇が良ければ就職して、悪くなれば転職する。人材が流動的なのが、逃げ場があるという意味で、立場が強くなれるのだろう。

 

foresttan.hatenablog.com